古典園芸植物たち1
遺伝学でいう純系にあたるものである。
このように江戸末期の頃に大流行した変化アサガオでは、メンデルにはじまった遺伝学(一九〇〇年がメンデルの法則再発見の年)以前の一〇〇年以上も前から(アサガオ八重咲き品種は一七六二年)、実質的にはメンデルの法則を利用してきたのである。
しかし日本ではアサガオの花 種の中から法則としての遺伝学は誕生してこなかった。
法則は生まれなかったが、秘伝として伝えられ、名人芸として存続してきたのだった。
江戸時代にできた変化アサガオを近代遺伝学の立場から検討してみると、変化アサガオの諸形質は、遺伝学的には簡単な原理によるものであることがわかってきた。
それをねばり強く研究したのは、萩原時雄博士である。
その研究によって、アサガオには一五対の染色体があるが、そのうちの一〇対について、その染色体地図ができあがった(図III-6)。